ひとしきり寝顔を眺めたあとで起き上がると、かすれた声で名前を呼ばれた。
「ヘジン」
後ろから腰に腕がまわされ、そのままベッドに引き戻されて倒れ込む。
その日は、朝から日差しが強く照り射す真夏日で、常連客に加え、通りがかりの人々もいつも以上に多く店にやって来た。
ドアを開けると、皆一度立ち止まり、店内の空調にほっとした表情を見せて中に入る。
ミントの葉を浮かべた自家製のレモネードを注いで渡すと、誰もが顔を綻ばせて、目を閉じながらのどの渇きを潤すのだった。
明るい日差しに目が覚めてカーテンを開けると、太陽が出てはいるものの、路面にまだ雪が積もっているのが見え、私はのろのろとベッドに戻りうつぶせた。こういう日のダブルデートには、一体何を着ていけばよいのだろう。雪が降り始めたのは昨日の夜なのだから、こうなることはあらかじめ分かっていたのに、今晩のことを考えたくなくてぎりぎりまで頭の隅に追いやっていた。